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共謀罪再チャレンジ 自民修正案『ラベル張り替え』

東京新聞」より転載。

★引用開始★

共謀罪再チャレンジ 自民修正案『ラベル張り替え』

 「廃案」の世論が高まった後も、衆院で継続審議の共謀罪法案。統一地方選や参院選を意識し、政府は今国会での審議入りをためらっている。だが、自民党の小委員会は先月、「テロ等謀議罪」と名称を変更し、同法案の修正案要綱を打ち出した。内容よりも“ラベルの張り替え”が際立つが、効果は侮れない。政府もこの要綱の方向で、3年越しの攻防に決着をつけたい構えだ。 (田原拓治)

■廃案求む声に着々巻き返し

 二〇〇四年の通常国会提出時には世間の関心も薄かった共謀罪法案だが、次第に政治焦点化。昨秋には日本弁護士連合会(日弁連)などの独自調査で政府見解の誤りが指摘され、「白紙化」への勢いが増していた。

 だが、安倍首相の成立への意欲は衰えず、今通常国会直前の一月十九日には長勢甚遠法相に成立を指示。しかし、選挙への影響を懸念する自公両党執行部の反発から、四日後には指示を撤回した。

 ただ、政府与党は着々と巻き返しを進め、自民党法務部会の「条約刑法検討に関する小委員会」(笹川尭委員長)は先月二十七日、修正案要綱を発表。反対する野党四党(民主、共産、社民、国民新)は今月、合同の対策チームを設けた。

 今回の修正案要綱は従来の政府案の何を変えているのか。素案によると、主に二つの点が挙げられる。

 一つは名称。「組織的な犯罪の共謀罪」から「テロ等謀議罪」に変更した。対象を「テロリズム等組織的な犯罪」とした。ただ、あくまで「等」であり、対象犯罪に「児童買春」や「有価証券偽造」なども含む。

 もう一つは対象犯罪の数だ。政府案は「四年以上の懲役・禁固」に当たる六百十九の犯罪を一律に挙げていたが、これを「テロ」「薬物」など五類型の約百二十から百五十の対象犯罪に絞り込む方針だ。

 一方で、今回の修正案要綱は、国会内外でこれまで指摘されてきた肝心な問題点には触れていない。

■米国の例では留保付き批准

 例えば、共謀罪の新設には国連の「国際組織犯罪防止条約」の批准のためという前提がある。このため、日弁連などは「対象を越境的な犯罪集団に限定すべき」と提起してきたが、この点は無視されている。

 米国はアラスカ州など三州で共謀罪が不十分であるにもかかわらず、留保付きで批准。その例に従えば、現在でも五十八の予備・共謀罪、共謀共同正犯などがある日本も批准できるという指摘にも反応なし。

 あるいは条約手続きは批准書の送付のみででき、国連の審査もないため、批准に共謀罪新設の必要はないという国際法学者の解釈にも触れられていない。

 いずれにせよ、政府はこの修正要綱の方向で反転攻勢をかけそうだ。実際、二十日の参院外交防衛委で浅野勝人外務副大臣は「(自民党)小委員会の修正案が確定され国内法ができれば、条約の締結に最大限の努力をする」と答弁。

 その際、「(条約を文字通り、国内法に反映させなくても)国連事務総長の異議があるとは思えない」と、国際法学者の新設不要論の論理を“借用”した。

 加えて、法務省刑事局の担当者は「最大の焦点は条約批准上、修正案が十分か否かの点。外務省が問題ないとみれば、法務省としては対象犯罪の数が絞られても問題はない」と話した。

 では、修正案作成の舞台裏には、どんな狙いや問題が隠されているのだろうか。

 今月八日、日弁連主催の集会で、社民党の保坂展人衆院議員は要綱を「中身に新味はなく、名称によるイメージ変更というすり替え工作」とこき下ろした。

 「“共謀罪反対”というスローガンが浸透する中、“テロ等謀議罪反対”は語呂も悪く言いにくい。反対世論をかわしたい一心だ」

 しかし、たかだか「ラベルの張り替え」でも、その効果は軽視できないと山下幸夫弁護士は警戒する。

 「思い出すのは、一九九九年八月に成立した盗聴法だ。あのときも猛烈な世論の反発があり、政府は『通信傍受法』と名称を付け替え、今回同様、対象を『組織的殺人』など四類型に絞って反発をかわした。今回とまったく同じ手法だ」

■条約の目的はマフィア対策

 別の問題点はその名称自体にある。「テロ」を前面に押し出した点だ。安倍首相自らも昨年九月、「イギリスではテロを未然に防いだ。条約を結んでいる以上、国内法を整備する責任は果たしていくべきだ」と共謀罪をテロ対策の一環として位置づけている。

 だが、共謀罪新設の根拠である国際組織犯罪防止条約の狙いはあくまで金銭目的のマフィア対策。政治主張に基づく「テロ」対策とは次元が異なる条約だ。

 〇一年の米中枢同時テロ以降、アフガン、イラク両戦争も「反テロ」で正当化されるなど、「反テロ教」ともいえる論調は世界中の人権を蹂躙(じゅうりん)してきた。

 富山大学の小倉利丸教授(現代資本主義論)は「そもそも、テロの定義は国際法も含めて定説がない。現状では、どこの国をみても『テロ犯罪』取り締まりはあらゆる反政府的な活動から、現政権を守る政治弾圧を正当化する手段になっている」と解説する。同教授は共謀罪に「テロ等」をかぶせた今回の修正要綱もその延長線上にあるとみる。

 さらに今回の名称変更では「共謀」は退けられ「謀議」が掲げられている。

 関東学院大学の足立昌勝教授(刑法)は「謀議は共謀の前提。つまり、共謀にもならない謀議の段階で処罰を認めれば、処罰範囲は格段に広まってしまう」とこの名称に首をかしげる。

■定義あいまい 当局の裁量に

 さらに「このため、素案でも『犯行の遂行について具体的な謀議を行い、これを共謀した者』を対象にするとしている。となれば、名称は共謀罪以外にはなく、『謀議罪』は共謀罪の悪評を覆う隠れみのにすぎない」と疑問を投げかける。

 対象犯罪を絞り込んでいる点についても、足立氏は「外務省や法務省は従来、『四年以上の刑が規定されているものが重大犯罪で、その絞り込みは条約では許されていない』と一貫して答弁してきた。彼らがこの修正要綱を評価するとすれば、これまでの答弁は一体何だったのか」と憤る。

 対象団体を「共同の目的が対象犯罪等を実行することにある団体」と限定している点も「活動目的すべてが規約に記されているわけでもなく、結局は取り締まり当局の主観的判断に委ねられてしまう」と“限定”とはほど遠いと批判した。

 条約の趣旨とは無縁でも反対世論封殺のために「テロ」を掲げ、成立のためには従来の政府答弁も一転させるというなりふり構わない姿勢が透けてみえる。

 非営利法人に携わる反対派の一人は「結局は労働運動などを弾圧する治安立法にすぎない。団体交渉つぶしに使える逮捕監禁罪や、スローガンの落書きに重罪を科す建造物損壊などは対象犯罪にちゃんと残してある」と冷めた表情だ。

 廃案か成立かの攻防は依然、続いている。山下弁護士はこう付け加えた。

 「一見、ソフトにみえる法案が一番怖い。共謀罪の本質は何も修正されてはいない。対象犯罪を絞っても一度成立させれば、後は、なし崩しに“改正”で広げてくるのが官僚の常套(じょうとう)手段だ」

<デスクメモ> 政府が「共謀罪捜査には電話・メール盗聴捜査が必要」と主張→解禁へ→東京地検特捜部が盗聴を駆使し、裏金で遊ぶ官僚を五百人、いっせい逮捕!→故・宮本邦彦警部のような優しい現場警察官たちが続々、警察首脳になる!→さらに、悪徳政治家も千人逮捕され全滅! こんなこと起きたら面白いけどね。 (隆)

★引用終了★

 喜八のボヤキ「これほどの悪法を強引に成立させようという者たちは、(1)よほどの馬鹿者、(2)売国奴、のどちらかだとしか思えない。《憲法停止クーデター》にも等しい悪行を重ねる人たちには、それなりの《報い》があるでしょうね。それも、近いうちに」


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反「共謀罪」で勉強会 野党4党、共闘復活視野?

共同通信」より転載。

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反「共謀罪」で勉強会 野党4党、共闘復活視野?

2007年03月04日 15:41 【共同通信】

 「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案に反対する民主、共産、社民、国民新の野党4党の有志議員が勉強会を立ち上げ、6日に初会合を開く。民主党の平岡秀夫、共産党の仁比聡平、社民党の保坂展人各氏ら約20人が参加する予定。

 今国会の野党共闘は共産党を除く3党が中心で、共産党は独自路線を強めている。参加予定の民主党議員は「私的な会合だが、与党が共謀罪成立に向けごり押しする事態になれば、4党共闘を復活させる中核になる」と期待を寄せる。

 勉強会は、学者や弁護士会などからヒアリングを行うほか、国会対策などについても協議する予定。継続審議になっている政府案とともに、対象犯罪を絞り込み「テロ等謀議罪」と改名した自民党修正案の問題点を探る考えだ。

★引用終了★

 喜八のボヤキ「共謀罪推進勢力は《話にならない馬鹿者》か《売国奴》のどちらかだと思っています。《国民の敵》です」


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「テロ等謀議罪」を了承 「共謀罪」修正で自民部会

共同通信」より転載。

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「テロ等謀議罪」を了承 「共謀罪」修正で自民部会

2007年02月27日 10:42 【共同通信】

 「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案の修正作業で、自民党法務部会の「条約刑法検討に関する小委員会」(笹川尭委員長)は27日、共謀罪を「テロ等謀議罪」と変更し、対象犯罪を政府案の600以上から123−155と4、5分の1程度に絞り込んだ「修正案要綱骨子」を了承した。

 小委員会の早川忠孝事務局長は、修正案を来月中にも民主党側に示し、実務者レベルでの協議を進める考えを示した。継続審議となっている政府案の修正が狙いだが、参院選前の法案成立は困難視されている。

 小委員会では共謀罪の名称を「テロ・組織犯罪謀議罪」と改名することで大筋了承していたが、さらに短縮。対象犯罪も修正原案では116−146だったが、傷害や窃盗などを加えた。

★引用終了★

 喜八のボヤキ「共謀罪推進勢力は《国民の敵》だ」


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共謀罪を「テロ謀議罪」に 対象犯罪4分の1に削減

共同通信」より転載。

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共謀罪を「テロ謀議罪」に 対象犯罪4分の1に削減

2007年02月06日 12:21 【共同通信】

 犯罪の実行行為がなくても謀議に加わるだけで処罰可能な「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案について、自民党法務部会の「条約刑法検討に関する小委員会」は6日、共謀罪を「テロ・組織犯罪謀議罪」と改名し、当初600以上を想定していた対象犯罪を4分の1以下に絞り込む方針を大筋で了承した。

 小委員会は「謀議罪」の対象を「テロ犯罪」「薬物犯罪」「銃器犯罪」「密入国・人身取引犯罪」「その他資金源犯罪など」の5つの犯罪類型に分類した上で、組織犯罪防止のために必要かどうかを検討し、116−146の罪を列挙。一律に「4年以上」の懲役・禁固に当たる600以上の罪としていた改正案から大幅に絞り込んだ。今後、対象犯罪について詰めの協議をし、2月中の修正案作成を目指す。

 同改正案は野党の反対を受け、昨年の臨時国会では衆院法務委員会での審議入りもできず継続審議となっていた。

★引用終了★

 喜八のボヤキ「保坂展人衆院議員も指摘しているように、政府・与党の《小さく産んで大きく育てる》作戦だろう。汚い手口だ」


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「共謀罪」の対象絞る 自民部会、法案を大幅修正へ

朝日新聞」より転載。

★引用開始★

「共謀罪」の対象絞る 自民部会、法案を大幅修正へ

2007年02月01日10時03分

 「共謀罪」の創設法案を再検討している自民党法務部会の小委員会(笹川尭委員長)は31日、国会審議が難航している政府提出の法案を修正し、615ある対象犯罪を大幅に絞り込む修正試案を2月中にまとめる方針を決めた。政府案のままでは野党の反対が強く、成立のめどが立たないため、与党主導で修正する。

 政府案で共謀罪の対象となるのは「懲役・禁固4年」以上の犯罪。政府は国際条約批准のために必要だと説明してきた。しかし、小委員会は政府案のままでは国民の理解が得られないと判断。国際的組織犯罪に関係ないものは対象から外し、絞り込んだ結果を具体的に条文として列挙する方向で大幅修正に踏み切る。与党として法案を出し直す可能性もあるという。

 政府案は今の国会でも継続審議中。笹川委員長は「役所の言うように機械的に国際条約を当てはめることはやめ、一度白紙にして国民の理解を得られるものを作りたい」と話した。

★引用終了★

 喜八のボヤキ「現時点で共謀罪成立を図る者は《日本国民の敵》とみなしていいだろう」


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共謀罪はクーデター?

東京拘置所

例によってドシロウトの妄言です。

先に別ブログで「官僚にもヤバイ?共謀罪」のエントリでも書きましたように、知人のM先生から共謀罪推進は《確信犯の憲法を蹂躙する行為》であり《「日本国国民全員の憲法適用を除外する」と言う弾圧法》ではないか、との示唆をいただきました。

これらの言葉を聞いたとき「共謀罪推進とは一種のクーデターではないか?」と思い至りました。

クーデターというとアフリカや南米の国で権勢欲ギラギラの将軍たちが軍を勝手に動かして行なうものといった印象があります。けれども元々はフランス語で「国家への一撃」の意味だそうです。「国家への一撃」が武力によるものだけとは限らないでしょう。特に日本のような高度情報化社会では。

もしも共謀罪を強引に成立させようとする行為が、日本国憲法を確信犯的に蹂躙し全国民の憲法適用を除外する「憲法停止」である、と解釈されることになったら? 共謀罪推進は「国家への一撃=クーデター」だと見なされる余地が充分にある、と思うのです。

これって物凄く怖い話ではないですか?

クーデターなら文字通り「命がけ」の仕事ですよ。いかなる国家であっても「体制転覆」を図ろうとする者たちには情け容赦なく対応するでしょう。それが国家の「本能」だからです。「官僚にもヤバイ?共謀罪」のエントリでは婉曲に「笠の台が飛ぶ」と書きましたが、「笠の台」とは首のことです。首が飛ぶというのはつまり斬首による死刑に処されるということ。いまなら絞首刑まであるという筋の話です。

でも共謀罪を推進している勢力には「命がけ」だと思っている人など1人もいないのでしょうね(おそらく)。バックにはアンクルサムがいて親方日の丸の仕事だから、なんてお気楽さで「憲法停止クーデター」に参加しているのだとしたら? 「くわばらくわばら、なんともお気の毒」と言うしかない、と私(喜八)は思うのです。

以上は無知蒙昧なヤカラの妄想の類《たぐい》であります。けっして本気にとらないでくださいね(笑)。

お後がよろしいようで・・・。


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どうなる共謀罪 事前処罰に根強い批判、首相の指示も迷走

毎日新聞」より転載。

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どうなる共謀罪 事前処罰に根強い批判、首相の指示も迷走

 共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正案は、25日召集の通常国会で審議されるのか。犯罪の事前合意だけで処罰できるため根強い批判がある共謀罪。安倍晋三首相の同国会中の法案成立指示もトーンダウンし、夏の参院選を控え、与党内では慎重論が大勢なことに変わりはない。最初の法案提出から4年近く、成立への道筋が見えない共謀罪をめぐる最近の論議と今後を探る。【森本英彦】

 ◇米の一部留保、語らぬ外務省

 「国会会期も十分でなく、時間的な制約もある。円滑な国会運営をしなければならない責任があるから当然だ」。長勢甚遠法相は23日朝の閣議後会見で、こう述べて、安倍首相の成立指示があった19日以降も与党内に広まる慎重論について一定の理解を示した。

 共謀罪に対しては「話し合っただけで罰せられ、表現・内心の自由が脅かされる」「捜査機関が乱用する恐れがあり、市民団体や労働団体がターゲットになる可能性がある」といった批判が当初からある。これまで与党はこうした批判を考慮して修正案作りを続け、民主党も与党との修正協議に応じてきた。

 ところが、共謀罪導入のきっかけとされる国際組織犯罪防止条約について、条約の旗振り役である米国が「一部の州には限定的な共謀罪しかない」と、条約の一部規定を留保(特定の規定を適用しない)して批准していたことが06年夏に明らかになる。これ以降、野党側は態度を硬化させた。

 それまで民主党が「共謀罪の対象となる犯罪を限定した上で、条約を一部留保すべきだ」と主張していたことに対し、政府が「対象犯罪を限定する留保はできない」と突っぱねてきたからだ。

 野党が特に問題にしているのは、05年10月の衆院法務委員会での小野寺五典・外務政務官(当時)の答弁だ。

 「米国は共謀罪の規定を既に有し、条約との関係では特に問題なく法整備が可能だったと承知している」

 この時点で外務省は、米国が翌月に一部留保で条約を批准することを知っていたにもかかわらず、そのことには一切触れなかった。その後の国会質疑の中でも全く説明してこなかった。

 外務省は「米国の留保は条約の趣旨・目的に反するとは考えておらず、特に言及しなかった。委員会でも特に質問がなかった」と弁明する。しかし、野党側は「条約の留保が重要な論点となっていたのだから、外務省の言い分は説得力がない。あえて隠そうとしていたとしか考えられない」と批判を強める。

 外務省によると、アラスカ、オハイオ、バーモントの3州には、共謀罪の対象となる犯罪が殺人罪など14〜21種類しかない。条約は、4年以上の拘禁刑に当たる犯罪を共謀罪の対象にするよう求めているが、アラスカは爆発物所持罪など38種類、オハイオはテロ行為罪など54種類、バーモントは爆発物所持・使用罪など129種類が、対象からはずれている。

 こうしたことから、野党側は「留保はできないという政府答弁は虚偽だった。共謀罪を設けなくても、条約を留保して批准できる」と主張する。

 ◇対象犯罪600種以上−−政府案

 問題を指摘される共謀罪だが、政府自身も99年3月の時点では、国連の条約起草委員会で「すべての重大犯罪の共謀を犯罪とすることは、我が国の法的原則と相いれない」と主張していた。日本の刑法は、犯罪の意思だけでは罪に問わず「既遂」を罰するのが原則で、「未遂」や「予備」などの処罰は例外的に定められているからだ。

 ところが、その後、方針を転換する。00年12月には条約に署名、共謀罪の創設を受け入れた。政府は「日本の問題提起の後、共謀罪の対象となる犯罪が、組織犯罪集団の関与する重大犯罪に限られたからだ」と理由を説明する。条約起草委員会の記録の多くは公開されていない。このため、野党側は「政府がなぜ考えを変え、共謀罪に固執しているのかが明らかでない」と疑問を投げかける。

 共謀罪を導入すると、政府案では、対象となる犯罪は600種以上に及ぶ。このため、「共謀罪創設は、日本の刑事法体系を根底から変える」と警告する学者もいるほどだ。現在までに条約を批准したのは130カ国に上る。政府の調査では、ノルウェーで新たに共謀罪を創設したことが確認されたが、もともと共謀罪を持っていた英米法系の国以外の実情はよく分かっていない。

 ある与党議員は「他の国がどうやっていようと、きちんと条約の要請を果たすのが日本の責任だ」と話す。しかし、野党の「ここまで大がかりな立法をしようとする日本の異常さは際立っている」との批判に政府・与党は十分に反論できていないのが現状だ。

 昨年の臨時国会では、審議すらできずに継続審議になった改正案。それでも長勢法相は23日「国民の理解を得て成立を図るのは当然」と述べ、政府の意思が変わっていないことを強調した。

 ◇国際社会への責任−−安冨潔・慶応大教授(刑事訴訟法)の話

 共謀罪の創設は国際組織犯罪防止条約を批准するために必要で、日本も国際社会の一員として責任を果たさなければならない。国際約束である条約の批准をできないまま、あまりにも時間がたっているのは問題だろう。一方、共謀罪は国内外の組織犯罪に対処する立法としても重要だ。対象となるのは、あくまでも暴力団などの犯罪集団が共謀して組織犯罪を行おうとする場合であることがもっと理解されるべきだ。

 ◇刑法原理に反する−−村井敏邦・龍谷大法科大学院教授(刑事法)の話

 実行行為がなくても処罰できる共謀罪は刑法の原理に反し、表現の自由も侵害しかねない。共謀の証拠を集めるには密告制度やおとり捜査が必要になり、あまりに波及効果が大きい。日本には予備罪や凶器準備集合罪が既にあるうえ、共謀共同正犯も実務上認められており、新たに国内法を整備しなくても国際組織犯罪防止条約の要請を満たしている。これだけ国民に不信感を与えたのだから、政府は法案を取り下げるべきだ。

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 ■ことば

 ◇共謀罪

 政府案は、4年以上の懲役・禁固にあたる犯罪が「団体の活動として犯罪実行のための組織により行われる場合」の共謀を罰するとしている。対象犯罪が「死刑、無期、10年を超える懲役・禁固」に当たるケースでは5年以下の懲役・禁固、それ以外の場合は2年以下の懲役・禁固が科される。06年の通常国会で与党と民主党はそれぞれ、政府案をより明確・厳格にする修正案を提出。現在、政府案だけが継続審議になっている。

毎日新聞 2007年1月24日 東京朝刊

★引用終了★

 喜八のボヤキ「《刑法原理に反する》どころか《憲法原理に反する》のが共謀罪だろう。賢明な官僚はすでに共謀罪エクスプレスから降りているのではないか?」


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【転送歓迎】一億総密告社会を招く共謀罪と犯罪収益移転防止法案:海渡雄一弁護士

海渡雄一さん:丸激トークオンディマンド

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士」さんからトラックバックしていただいた共謀罪情報を以下に転載します。

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★転載開始★

【転送歓迎】一億総密告社会を招く共謀罪と犯罪収益移転防止法案:海渡雄一弁護士

一億総密告社会を招く共謀罪と犯罪収益移転防止法案

−国際社会は本当に共謀罪と依頼者密告制度を求めているのか−

2007年1月23日
                            海渡 雄一(弁護士)


PART1

共謀罪と依頼者密告制度

1 共謀罪と依頼者密告制度をつなぐ点と線
 共謀罪と依頼者密告制度は実は密接に関連している。
その共通点は簡単に数え上げても次の5点に及ぶ。
1)政府が国際機関(国連、FATF)からの要請を第一義的な立法理由にしていること、
2)どちらもイギリスがその制度の祖国であること
3)密告という人倫に反する行為が奨励されていること、
4)「犯罪遂行の合意」であるとか、「疑わしい取引」といった非常にあいまいな行為が規制の対象とされること、
5)規制の前提・対象犯罪がどちらも619もの広範な犯罪にひろがっていること
などである。
共謀罪は2000年に起草された国連の越境組織犯罪防止条約の国内法化のためと説明されている。共謀罪は、犯罪はその実行の着手される前には処罰されない刑法理論の根幹を変え、犯罪の合意が成立しただけで、その実行の着手はおろか、準備にすら取りかかっていない段階で処罰しようとする制度だ。
 日弁連は、この条約が世界の刑事司法にもたらすインパクトに注目し、その審議の冒頭から代表団を派遣して審議の内容の把握に努めた。このような努力が、後の国会審議で政府側と互角の論議を展開する上で大きく役立ったと確信する。
 これに対して、依頼者密告制度はFATF(OECDの加盟国等で構成されている政府間機関)がテロ資金・マネーロンダリング対策として2003年6月の「40の勧告」の改訂の中で提唱した制度である。
 依頼者が行う取引に犯罪収益が関連している疑いのあるときに、弁護士にそのことを警察に密告することを義務づけ、報告をしなかったことを理由に懲戒などの措置を可能にしようとする依頼者密告制度を含む犯罪収益移転防止法案が2007年2月初旬にも法律案として提案され、政府与党は3月末までの成立を目指している。

2 共謀罪についての世界の状況
 この二つの制度が世界各国でどのように実施され、もしくはされていないのかを最初に見てみたい。まず国連条約の批准のためには共謀罪の制定が不可欠という説明には重大な疑問が生じている。
 新たな共謀罪立法を行ったことが確認された国は,ノルウェーなどごくわずかであり、他に立法を行った国は確認されていない。アメリカ合衆国は,州法では極めて限定された共謀罪しか定めていない場合があることを国務省の大統領宛批准提案書の中で指摘した上で、国連越境組織犯罪防止条約について州での立法の必要がないようにするため,留保を行った上で条約を批准した。アラスカ、オハイオ、バーモントなどの州レベルでは広範な共謀罪処罰は実現していないことを外務省も認めた。
 すでに判明しているだけで,組織犯罪の関与する重大犯罪の全てについて共謀罪の対象としていないことを認めている国が5ヶ国(ブラジル,モロッコ,エルサルバドル,アンゴラ,メキシコ)存在する。セントクリストファー・ネーヴィスは,越境性を要件とした共謀罪を制定して,留保なしで国連越境組織犯罪防止条約を批准している。これらの諸事実は、政府のこれまでの国会答弁と明らかに矛盾している。

3 依頼者密告制度に関する世界の状況
 この制度は、2003年6月のFATF(金融活動作業部会 OECD諸国の政府間会合で犯罪収益の流通やテロ資金規制のための活動をしている)勧告がもととなっているが、日弁連はこのような計画を知った2000年以降、アメリカやヨーロッパの弁護士会と密接な連携を取りながら、この制度の反対運動を国際的に繰り広げてきた。日弁連は4度にわたって、FATF事務局にこの制度に反対することを直接申し入れている。
 この制度はOECD加盟国の中でもアメリカ、イギリスなど主要国で実現していない。
 アメリカでは、アメリカ法曹協会(ABA)がゲートキーパー規制について反対の姿勢を崩しておらず、政府からも制度創設の具体的提案がなく、依頼者密告制度は実現されていない。2005年秋からFATFによるアメリカ政府に対する相互審査が始まり、2006年に報告書が公表されたが、この点は勧告を満たしていないとされる多くのポイントの一つとして指摘されたにとどまり、大きな問題にはなっていない。
 カナダでは、FATF勧告の改訂前にイギリス型の極めて広範な通報義務を刑罰によって義務づける法制が作られたが、弁護士会による法律の執行の差止めを求める仮処分が各州で提訴され、全ての州でその執行が停止されている状況で、政府は、この法律の弁護士への適用を撤回している。カナダでは、弁護士による本人確認と記録保存は義務づけられたが、疑わしい取引の報告制度は設けないことで、政府と弁護士会の間で合意がなされている。
 イギリスでは、既に1993年からマネーロンダリング規則が存在し、この規則は1994年からソリシターをも規制対象とするようになった。疑わしい活動についての政府金融監督機関への報告義務の懈怠などが5年以下の懲役刑の対象とされため、ソリシターが後のトラブルを恐れて依頼者の活動について些細な事実についても報告を行うようになっており、2004年のソリシターの報告は1万数千件に及んでいる。
 その他のヨーロッパ諸国では、2001年のEU指令により、ほとんどのEU諸国で報告制度の国内法化が実施された。多くの国々では、弁護士が弁護士会に届け出る制度が取られており、また届出件数も少ないことが特徴である。ヨーロッパ諸国においても弁護士会の抵抗は続いており、ベルギーやポーランドでは、弁護士会がこの制度の違憲性を指摘して行政・憲法裁判所に提訴しており、現在係属中である。
 2006年11月に開催されたFATF会合において、日弁連はABA(アメリカ),CCBE(EU諸国),カナダ弁護士会、スイス弁護士会などともに依頼者密告制度の撤廃を求める共同声明を作成し、FATFに提出している。この制度を阻止し、廃止させていくことは世界の弁護士会の共通の悲願となっているのである。
 
4 根本的に疑問のある国際刑事立法手続の透明性
 国連にしてもFATFにしても、その実体を見ると、これら国際機関で議論を主導しているのは、先進諸国の外務、法務、警察、金融財政などを担当する官僚ばかりである。いってみると官僚だけで国会をやって、政府の作りたい法律を作っているようなものであり、そこには国際人権NGOも野党議員もいないのである。
 日弁連は国連組織犯罪防止条約の起草の場に代表団を送り続けたが、発言の機会はなかった。FATFの勧告制定時にも、日弁連は世界各国の弁護士会と共同して、依頼者密告制度の新設に反対する意見を書面でも提出したし、会合の中でも述べた。しかし、これらの意見に対してFATF事務局はいったんは受け入れるとしながら、結局勧告には反映されなかった。このように国際刑事立法手続きの透明性とその正当性について根本的な疑問があるのである。


PART2

共謀罪なしで越境組織犯罪条約は批准できる

1 崩れている国連条約批准のためという説明
 政府・外務省・法務省が共謀罪の制定を必要とする理由として上げてきた理由、根拠はことごとく崩れている。
・国連越境組織犯罪防止条約第34条第1項は、国内法の基本原則に基づく国内法化を行えばよいことを定めている。
・国連が条約の批准の適否を審査するわけではなく、したがって、国連から新たな立法がないとして批准の有効性に疑問が提起されるわけではない。

2 新たな共謀罪立法なしで国連越境組織犯罪防止条約を批准することはできる
・我が国においては、組織犯罪集団の関与する犯罪行為については、 未遂前の段階で取り締まることができる各種予備・共謀罪が合計で58あり、凶器準備集合罪など独立罪として重大犯罪の予備的段階を処罰しているものを含めれば重大犯罪についての、未遂以前の処罰がかなり行われている。
・刑法の共犯規定が存在し、また、その当否はともかくとして、共謀共同正犯を認める判例もあるので、犯罪行為に参加する行為については、実際には相当な範囲の共犯処罰が可能となっている。
・銃砲刀剣の厳重な所持制限など、アメリカよりも規制が強化されている領域もある。
・日弁連は政府が提案している法案や与党の修正試案で提案されている共謀罪の新設をすることなく、国連越境組織犯罪防止条約の批准をすることが可能であり、共謀罪の新設はすべきではないと考える。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity.html)。


PART3

犯罪収益移転防止法案と依頼者密告制度

1 政府の提案する犯罪収益移転防止法案の中味
 政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、2005年11月17日、このFATF勧告を受けて、その実施のための措置として、現在金融庁に置かれている金融情報機関(FIU)を警察庁に移管すること、法律案の作成は警察庁が行い、弁護士に対してテロ資金・犯罪収益の移転防止資金に関連するなど何らかの違法性があるとの疑いのある取引・活動について警察庁に報告することを義務づける制度を盛り込んだ法案を2007年の通常国会に提出することなどを決定した。
 その内容は、法律・会計専門家は、FATF勧告の趣旨に従って本人確認、取引記録の保存及び疑わしい取引の届出の措置を講ずる責務を有することを前提に、?弁護士が講ずべき措置の内容については、他の法律・会計専門家の例に準じて当連合会の会則により定めることとする、?弁護士による疑わしい取引の届出は、当連合会に対し行うこととする、?政府と当連合会とは、犯罪収益等の流通に関し相互に協力しなければならないこととするなどである。
 この警察庁案は、弁護士についても、他の法律・会計専門家と同様に、疑わしい取引の届出義務を課すが、その具体的内容については日弁連が会則で定めるという仕組みを採用している点に特徴がある。

2 依頼者密告制度ができれば安心して弁護士に相談できなくなる
 日弁連がこの制度に反対する理由は単純である。この制度ができれば、普通の市民が弁護士に何でも打ち明けて相談できなくなるからである。この制度は、弁護士が依頼者から聞いた相談内容を警察に通報するものである。これまで、依頼者が弁護士に話した内容については固く秘密が守られ、弁護士は依頼者の秘密をあくまで守り抜く存在であると信じられてきた。ところが、この制度ができれば、依頼者が弁護士に話したことや依頼者の行動の一部が依頼者の知らないうちに警察に通報され、そのことがきっかけとなってその依頼者の銀行口座が凍結されて預金を下ろせなくなってしまったり、事業が倒産に追い込まれたり、刑事事件とされるなどという事態が生ずるようになる。
 たとえば、ある依頼者から不動産売買契約に売り主側で立会を依頼された弁護士が、買い主の支払う売買代金に脱税によって得られた資金が含まれているという疑いを持った場合、このことを警察に通報する義務を負う。通報がなされると、売買代金を預金してある口座が封鎖され、その依頼者は犯罪収益収受の罪で逮捕される可能性があるのだ。
 マネーロンダリングであるとか、犯罪収益の移転というと、麻薬や人身売買取引など非常に極端な犯罪を思い浮かべる方も多いだろう。しかし、実態はそうではない。現在政府が国会に提案している共謀罪と一体の組織犯罪処罰法の改正案では、マネーロンダリングの前提となる犯罪は共謀罪と同様619にも及び、税法や著作権法違反、政治資金規正法等まで含まれている。
 この場合、違法性のはっきりしない「疑い」のレベルで通報が義務づけられるので、真実は依頼者の違法でない活動についても誤って通報がなされる可能性がある。弁護士は秘密を守ってくれるものと考えて、包み隠さず何でも話したら、誤って疑いを持たれて警察に通報され、その依頼者の事業が破綻し、えん罪に巻き込まれるような事例が一つでも発生すれば、市民全体の弁護士・弁護士会に対する信頼は根本から失われるだろう。また、弁護士は依頼者から十分な情報を得ることができず、依頼者が法律を遵守して行動するように適切に援助することもできなくなり、結果的に依頼者による違法行為を招くことにもなるだろう。
 この制度の導入によって、違法な金融活動が摘発される例がごく少数あるかも知れないが、依頼者が適法に行動するために適切な法的アドバイスを受けることができなくなることは、まさに市民の司法サービスに対するアクセスの否定である。規制によるわずかな利益に比べて不利益があまりにも大きすぎる。
 また、弁護士と警察は刑事事件の弁護活動を巡っては鋭く対抗する関係にある。警察庁への密告義務が制度化されれば、市民は弁護士を警察の手先と見るようになり、弁護士が警察と対抗して刑事弁護活動を行う上での制度的独立を危うくし、弁護士・弁護士会の警察権力からの独立を傷つけてしまう。

3 守秘義務が守られれば問題は克服できるか
 FATF勧告も守秘義務の範囲内の情報の通報は求めていない。しかし守秘義務の範囲に属するかどうかが一義的に決まらないこともあるし、当局の解釈と弁護士会の解釈が異なることは十分想定しうる。警察庁が守秘義務の範囲についてこれを狭めるような解釈を押しつけてくる可能性もある。
 日弁連の反対理由の主眼は、そもそも弁護士に警察庁への報告義務を課す制度を設けること自体が弁護士制度への国民の信頼の根幹を揺るがすものだと言う点にある。守秘義務の問題以前に、報告制度の創設自体によって依頼者に何でも話せるという環境が失われることが問題なのである。また、依頼者である市民にとっては、守秘義務の範囲内かどうかを判断することは極めて困難である。
 守秘義務の範囲外であっても、弁護士が依頼者から得た秘密情報を捜査機関に通報することを認めることによって、弁護士制度の存在意義を危うくし、ひいては民主的な司法制度の根幹を破壊することになる。

4 弁護士会経由を定める警察庁案について何故反対するのか
 日弁連が警察庁案に反対する姿勢を明確にした。その理由は単純である。警察庁案においても、単に疑わしいというレベルで弁護士が当連合会に対して届け出た依頼者に関する秘密情報が、最終的に、国家公安委員会に通知されるという枠組みには何の変更もないからである。警察庁案でも、弁護士が届け出た依頼者に関する秘密情報について守秘義務の範囲外であると判断した場合には、その情報を国家公安委員会に提供しないことは許されない。法律で通報義務を規定する場合と何ら異ならないのである。 

5 重大犯罪に適用対象を限定できるのではないか
 警察庁は、警察庁案は、弁護士が講ずべき措置の内容については、届出ルールを含めて当連合会の会則で定めることを認めているとして、これを「世界に類を見ない弁護士自治スキーム」と呼んで、弁護士自治を尊重していることを強調している。
 しかしながら、警察庁案によれば、弁護士を含めて全ての事業者について、法文上、本人確認、取引記録の保存及び疑わしい取引の届出の措置を講ずる責務を有することを明記した上で、他の法律・会計専門家の例に準じて当連合会の会則により定めることとするというものである。会則により定めなければならない事項及びその内容は一義的に定められており、疑わしい取引の届出の措置を除外したり、その範囲を限定することは一切許されていない。
 届け出を要する犯罪収益の前提とする犯罪(いわゆる前提犯罪)は、現行法上は組織的犯罪処罰法の別表に掲げられた合計200以上の犯罪が選択されている。もし、共謀罪新設法案が成立すれば、公職選挙法違反や政治資金規正法違反や税法違反などを含む619以上の罪に拡大されようとしており、弁護士会が会則で、その範囲を、テロなど重大な犯罪だけに限定することは認められていない。

6 日弁連と警察との関係は今後どのように展開するか
 制度がひとたび運用され始めると、実際に刑事事件となったケースについて事前に届け出がなかったことを警察が批判し、日弁連の審査体制の改善を求め、会内の審査機関に警察庁関係者等の外部委員を参加させることを求めたり、さらには弁護士から国家公安委員会への直接の届出義務を課す法改正を提案されるおそれがある。
 年間1万件以上の情報を弁護士が通報する事態になっているイギリスのローソサエティのマネロンチーム議長のブース氏は、FATFの場でこの制度の導入に反対の演説を行った川端和治対策本部長代行に対して「英国の例にならうな。自由というのは少しずつ削られていくんだ。最初に妥協したのが失敗だった」と自らの後悔を込めて励まされた。
 弁護士・弁護士会が、一旦、弁護士による疑わしい取引の届出義務を許容してしまうと、どんどんエスカレートして後戻りすることができない事態を招くことになることが十分予想することができるのである。

7 日弁連は犯罪収益の移転に荷担しない
 日弁連は、犯罪収益の移転防止にはまったく協力しないのではない。日弁連はテロ資金やマネーロンダリングの対策が必要であることは否定していない。
 日弁連は弁護士に密告を義務づけることには反対であるが、犯罪収益の移転には荷担しない。日弁連は会規を自主的に制定し、一定の取引について依頼者の身元を確認し、取引の記録を保存すること、依頼者の活動に犯罪収益にかかわる疑いがあるときには警察に密告するのではなく、依頼者にはっきりと指摘して取引をやめるよう説得し、その説得が聞き入れられないときは弁護活動から辞任することなどを会員に義務づけ、また会員向けに犯罪収益の流通に荷担しないよう研修を強化するなどの措置を執ることを1月理事会において本年3月の臨時総会に提案することを決定した。
 仮に違法行為に弁護士が荷担するような事態となった場合、刑事事件として責任を負うほかに、弁護士会としても懲戒をもって臨むことは当然だ。
 弁護士職務基本規程の解説によると、依頼者の犯罪行為の企図が明確で、その実行行為が差し迫っており、犯行の結果が極めて重大な場合で秘密の開示が不可欠な場合には、この「正当な理由」に当たると考えられ、守秘義務が解除されるのであるから、このような場合には、弁護士等が警察等に直接通報することは許される。
 つまり、人の生命や安全に関わる明らかな緊急事態の場合には、守秘義務の例外として警察に通報することができるのである。また、守秘義務の例外はこのような限定された場合にのみ許されるのである。
 これに反して、広範な違法行為について、依頼者の活動に単なる疑いがあるという段階で、弁護士に通報の義務を課すということは、このような生命侵害の切迫した危険が生じているような極限的な事例とは全く次元がちがう問題である。


PART4 

日切れ扱いは国会の審議権無視の暴挙だ!

1 日切れ扱いを求める警察庁
 政府与党は今国会に犯罪収益移転防止法案を提案するための準備を進めている。警察庁は、政府与党に対して同法案について、政府が年度内の成立を目指す「日切れ扱い法案」扱いとして2月上旬に提出し、3月中に成立を図ることを求めているという。
 このような、重大な争点をはらんでいる重要法案を予算関連の日切れ扱い法案として提案することには国会の審議権を蔑ろにするものだ。

2 日切れ扱いとは?
 「日切れ扱い法案」とは、予算措置を伴い、年度初めから予算執行しなければ国民の生活に支障が出る緊急性がある法案が主な対象であり、ほかの法案に優先して審議に入り、年度内に処理されるのが通例である。与野党の対立法案が「日切れ扱い」になるようなことは極めて稀である。
 警察庁の説明は今回の法案では、現在の実施されている金融機関の報告制度に関連する経費が07年度の警察庁予算に計上されているためと説明されている。これまでは疑わしい取引に関する情報を集約・分析・提供する業務を行う資金情報機関(FIU)は金融庁に置かれていたが、次年度から国家公安委員会(=警察庁)に移行するとされている。そのため、この法案が成立しないと既に金融庁には予算がついていないため、金融機関に関する報告制度の運用が滞るというのである。

3 法案を二つに分離さえすれば日切れ扱いではなくなる
 しかし、金融機関に関する報告制度の所管を国家公安委員会に移す部分だけを別法として分離しさえすれば、弁護士などに対して新たな報告義務を課す新制度部分は「日切れ扱い法案」とはしなくてすむのである。二つの異なる事項をむりやり一つの法案に合体させたために、新たな制度の創設に関する重要法案が「日切れ扱い」になるという異常事態が生じているのである。
 市民の司法へのアクセスに重大な支障をもたらす弁護士から警察への依頼者密告制度を含む犯罪収益移転防止法案について自民党と公明党は根本的にその内容を再検討するとともに、国会運営上も手続的に疑問がある「日切れ扱い」をやめるよう、強く求めるものである。

4 密告社会の到来を許さない共謀罪・依頼者密告制度阻止の闘いを
 この通常国会では継続審議となっている共謀罪に加えてあらたに提案される犯罪収益移転防止法案がともに対決法案として浮上するだろう。与党絶対多数の状況下でこのような法案が政府提案された場合、これを阻止することは非常に難しい。しかし、共謀罪は密告監視社会を作るものという反対の世論を築き上げ、足かけ4年間成立を阻止してきた。犯罪収益移転防止法案の本質は市民が安心して何でも秘密を弁護士に打ち明けて相談できるという司法の根本を壊し、やはり密告社会を作り出すところに共通の根っこがある。
 この闘いは負けられない闘いである。
 共謀罪の行方に関心を持つ1人でも多くの皆さんに、依頼者密告制度を含む犯罪収益移転防止法案にも関心を持ち、その反対に立ち上がっていただくよう、心からお願いする。

★転載終了★

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